コラム&エッセイ
散骨 編その9
「みんな平等なんだ」ミンネスルンドの哲学/第2話
ジャンル:墓じまい>コラム/最終更新日:2018.09.26
スコーグスシュルコゴーデン聖十字架礼拝堂の復活像
なぜ、こんなに匿名性共同墓地ミンネスルンドが支持されているのでしょうか。
その最大の理由は「お墓の管理義務を負わない」と言う事にありそうです。
スウェーデンでは、墓石を墓標にした民間墓地の管理が厳しく、雑草を取り、花を植え、綺麗に手入れをしなければなりません。
この手入れを放置すると、手入れ不備を解消する要請を新聞で告知されます。
また告知から1年以内に手入れを怠った場合は、墓地管理事務所から埋葬権の終了を宣告されます。
もちろん管理費を払えば手入れをしてもらえますが延々と払い続ける事となります。
民間墓地を選ぶか、公営の追憶の森ミンネスルンドを選択するかは、たいていの場合本人が選択しているようです。
「遺された者へ迷惑は掛けられない」という思いは、どこの国でも共通のようです。
お墓を建てる費用、そしてお墓を管理する費用が無料と言う経済的理由の他に、もう一つミンネスルンドが支持されている理由があります。
それは、匿名性共同墓地のもつ「連帯・平等」という哲学に共鳴 してミンネスルンドを選択する人が多いと言う事です。
祖先崇拝のシンボルとしての家系中心のお墓より、死後の長い時間を連帯して平等にミンネスルンドで「過ごしたい」と言う哲学です。
生前には、貧富という尺度が有り、平等とは言えなかつたがあの世はみんな平等なんだ。
だからみんなのいるミンネスルンドに散骨(散灰)してください。
そして、お祈りするならみんなの分も一緒にお祈りして下さい。と言う事でしょうか。
それでは、第3話は「これでいいの?日本のお墓」について探索してみましょう。